破産手続を進めるための要件について解説

自己破産は破産法という法律に基づく手続です。そこでいつでも自由に自己破産をできるわけではなく、法律で定められた要件を満たさないと手続を行うことはできません。ここではその要件について解説します。

 

破産手続には裁判所への申し立てが必要

破産手続については地方裁判所が取り扱っています。そこで自己破産をするには債務者が地方裁判所に対して「自己破産をしたい」と申し立てないといけません。

そこで申立書を作成し、その他必要書類とともに提出をすることになります。

 

例えば債権者一覧表の準備が必要です。残債務についての債権者を漏れなくすべて記載するのです。

 

さらに財産目録も必要です。ご自身が持つ資産等をすべて漏れなく記載し、裁判所に報告します。

 

他にも求められる書類が出てくることもありますので、その求めに応じて必要書類を準備しておきましょう。

 

要件1:「支払不能」な状態であること

申立手続が必要ということですが、その上で、裁判所に「支払不能」という状態を認めてもらわないと受理されません。

 

これはつまり、破産を弁済する余裕があるのなら破産手続を進めることは認められないということを意味しています。

 

当然支払いができない状態が「一時的だ」と評価される場合には支払不能とは認められません。また、現在の預貯金が少ない場合や不動産の所有がないというだけでも当然に認められるものではありません。

 

その方の収入、信用なども総合的に評価されます。

 

もし現在の貯金が0円であっても、毎月生活費より大幅に大きな給与が得られているのであれば、生活には余裕がありますし、債務を弁済していくことが可能です。そこで支払不能と認められない可能性が高まり、破産手続が進められない可能性も高まります。

 

要件2:予納金が支払えること

あまり知られていませんが、破産をするにも費用がかかります。そしてその費用は前払いをする必要がありますので、その意味で「予納金」と表現されます。

 

もし、予納金を納められないときは、破産手続を進めることができなくなってしまいます。

 

なお、予納金の額は事案により異なります。多額の費用を要するケースもあれば、少額で済むケースもあります。費用が大きくなるのは債権者数が多い場合や債務額が大きな場合です。

 

弁護士に破産手続について依頼を出すとさらに費用が増えてしまいますが、弁護士がついていることによって予納金の額が下がり、全体としては高い費用対効果が得られることもあります。

そのため費用が心配という場合でも一度弁護士に相談してみることをおすすめします。