裁判所からの命令・決定に基づく解散方法「強制解散」とは何か

会社が事業活動を止める要因となる「解散」には任意解散と強制解散があります。

会社自身が解散の決断をする任意解散とは異なり、強制解散の場合は裁判所の関与を受けることとなります。この強制解散についてここで紹介します。

 

強制解散について

会社財産、権利義務を処理する清算手続へ移行するには、まず事業活動を完全に停止させるための「解散」が必要です。

 

特定の事由がある場合に裁判所から命令等を受けて解散をすることがあるのですが、このように自主的にではなく強制的に解散をさせられるときのことを「強制解散」と呼んでいます。

 

強制解散となる要因には①破産手続開始決定②みなし解散、そして③解散を命じる裁判の3つが挙げられます。

 

破産手続開始決定による強制解散

法人が自己破産の申し立てを裁判所に行い、これが受理されると、「破産手続開始決定」を裁判所が出します。この決定を受けたとき、会社は解散となります。

 

この場合は会社自身の意思決定に基づいて申し立てをしていますので「会社の意思に反して強制的に解散させられた」とまではいえませんが、最終判断は裁判所が行っています。

 

また、会社自身が申し立てをするケースばかりではなく、会社債権者からの申し立てや、役員個人からの申し立てによって強制解散となることもあります。

 

みなし解散

株式会社の運営を続ける場合、その過程では登記手続も必要となります。しかし事業を行う実態がないときは登記を行わず放置し続けていることもあります。

 

株式会社において12年以上登記が行われておらず、その後の法務局からの連絡も無視していると、法務局による職権で解散の登記が行われるのです。これをみなし解散と呼びます。

 

解散を命じる裁判による強制解散

会社の存続を認めるべきではないような事由があるとき、裁判所から解散命令が出されることがあります。例えば不当な目的で会社を立ち上げた場合、解散命令を受けることがあります。

 

また、株主が解散についての請求を行うこともできます。裁判所にその請求を行い、裁判所が審理し、解散すべきとの判断をしたときは、判決により強制解散となります。

 

任意解散との違い

会社による自主的な解散は「任意解散」と呼ばれます。任意解散となる主な要因は「株主総会の特別決議」です。株主も含めた会議で、解散をすることについて話し合います。多数の賛成を得て、自主的に解散するのです。

 

強制解散と違うのはやはり意思決定の過程です。強制解散を命じられることのないよう、経営を行う方は健全な活動を心掛けるべきでしょう。