スムーズに法人破産をする方法を解説!

まずは書類準備

法人破産でごたつく原因は色々ありますが、まずは申立てを行う前段階である書類準備を素早く行いましょう。

申立書や陳述書あるいは報告書、財産目録や債権者一覧は必ず提出を求められるものです。管轄の裁判所に出向き、書類を入手しておくようにしましょう。
給与明細や源泉徴収票、預金通帳の写しなども多くの場合必要になります。

他にも、車や保険契約、不動産の所有など、個別の財産事情がある場合にはそれぞれの状況を証明する書類を準備することになります。不備のないように準備し、提出後、修正等を求められないようにすると最初のステップはスムーズにいくことでしょう。

弁護士など、プロに相談しながら進めるとよりミスを減らすことも可能です。

即日面接等の利用

通常、申立てをしてからしばらくして、裁判官とその後の手続に関して面接を行うことになります。

この面接において、東京地方裁判所では即日面接が利用できることがあります。
常にというわけではなく、財産や利害関係人、負債額がそれほど多くない場合に利用できるケースが多いです。

また東京以外でも、通常より期間を短縮して面接を受けられる制度を運用していることもあります。

弁護士が当該制度利用の条件とされているため、やはり破産は弁護士に依頼しておくのが良いと言えるでしょう。

仮に即日面接が利用できない場合や、管財事件となり比較的時間を要すると判断された場合でも、少額管財事件として扱ってもらえれば費用も期間も短くできます。

ただしここでも弁護士の存在が必須となるため、一つ一つの結果がどうであったとしても、破産をスムーズに進めるという観点から言えば、早い段階で弁護士に依頼しておいたほうが良いということが言えます。

費用は全額支払えるようにしておく

破産は、費用が準備できなければ進めることができません
裁判所によっては分割払いを認めていることもありますが、それでも後払いは認められず、全額支払われるまでその手続は停滞したままになってしまいます。

破産をするという事実が周囲に知られてしまうと取立をされてしまったり、代表者個人・役員等に実害が生じてしまったりすることも起こりかねません。
本来法人破産はその会社の代表者であったとしても個人とは無関係です。会社の借り入れ等に関して連帯保証人になっているのであればその債権者から取り立てられることなどはあるかもしれませんが、代表者個人が一般的な債権者から請求を受けたとしてもそれに応じる義務はありません。

ただ、相手方によっては違法であるにもかかわらず乱暴な取り立てをしてくることもあるため、最終的に解決ができたとしても、そのようなトラブルに対応していてはスムーズな破産ができたとは言えないでしょう。

できるだけ破産の期間は短くなるようにし、こういった紛争に巻き込まれないようにしなければなりません。

費用の確保はそのためにも重要で、数百万円要することもありますが、そのことを見越して計画的に破産に踏み切るようにしましょう。

予納金と弁護士への依頼費用が大きな負担となることが考えられますが、弁護士費用に関しては各事務所が自由に設定するもののため、信頼関係のある弁護士であれば後々に分割払いをすることや、減額の交渉にも応じてくれるかもしれません。

関係者とトラブルにならないようにする

破産では多くの関係者に迷惑をかけてしまうため、それまでの関係性が良好でなければより強い不満を抱かせることになりますし、従業員との関係も重要になってきます。

債権者は申立人が免責されることによって債権の弁済を満足に受けられなくなりますし、従業員は突然職を失い、急いで転職活動を始めなければならなくなります。

意思決定をする経営者はこれらのこともよく理解した上で、トラブルに発展しないよう、前々から良い関係性を築くよう意識することが大切になります。