清算手続ではどんなことをする?流れに沿って手続の内容を解説

 

 

会社が消滅する前には、株主総会の特別決議等を経て解散し、その後清算の手続を進めていくことになります。解散した会社に残った権利義務関係を一つひとつ処理していくための手続です。
具体的に、清算手続とはどのようなことを行うのでしょうか。以下で流れに沿って説明をしていきます。

 

清算手続の概要

解散することの決定をした会社がその後進めるべき清算手続について、全体の流れを示すと次のようになります。

  1. 解散の届出
  2. 清算人の選任と登記
  3. 財産目録等の作成
  4. 債権者への通知
  5. 清算
  6. 清算結了の登記

 

会社が解散したことの届出

解散をしたことを、税務署や自治体などに報告します。
そこで異動届出書を作成し、市区町村や都道府県税事務所、税務署に提出します。

 

清算人の選任と登記

清算手続を進める仕事を担う清算人を選任します。通常、解散に関する意思決定をした特別決議の場で、清算人も選任します。

なお、多くの場合は代表取締役が清算人となります。

清算人が定まれば、その旨を登記する必要があります。解散した事実の登記についても同時に行いましょう。

そこで本店所在地にある法務局で、解散から2週間以内に登記手続を行います。登記により「私は清算人だ」ということを対外的に示すことができ、各種手続もスムーズに進められるようになります。

 

財産目録等の作成

選任された清算人は、まず、会社の財産状況を整理するため財産目録を作成します。

どのような財産、どれだけ価値のある財産を会社は保有しているのかをまとめます。

また、貸借対照表も作成します。

 

債権者への通知

債権者保護手続として、会社債権者に清算手続に入ったことの知らせを行いましょう。

官報公告で通知をすること、そして把握できている債権者に対しては個別に通知を行います。

なお、官報公告の情報は日本中からアクセスできるものの、現実にはあまり見られているものではありません。そのため官報公告に掲載したからといって即座に清算処理ができるわけでもありません。

官報公告を出してから2か月以上の猶予期間を設けなければならず、その意味で清算手続は数ヶ月かかる手続であるともいえます。

 

残余財産の清算処理

猶予期間も過ぎれば、残った会社の財産の清算処理を進めていきます。

不動産などの財産を売却し、現金化します。そして負債の弁済にあてるのです。

なお、倒産状態にあった会社以外なら、負債の弁済をした後でも財産が残っていることもあるでしょう。その財産については株主に分配されます。経営者だからといって個人の懐にいれることはできません。

また、清算に関して確定申告も行います。清算処理を進める前の確定申告、清算処理後の確定申告も行います。

 

清算が終わったことの登記

最後に、清算手続が終わったことを公に示すための登記を行います。

ごく基本的な流れのみを触れてきましたので、実際に清算を行う際は、専門家のサポートを受けることが推奨されます。