自己破産前に知っておきたい「生活福祉資金制度」について解説

生活福祉資金制度とは

経済的に困窮した者が取り得る手段として、最終的には自己破産があります。「どうしても自分の力では持ち直すことができない」「負債が膨れ上がりすぎて返済が不可能になってしまった」という場合には自己破産せざるを得ないこともあるでしょう。

しかし、その前段階で気づけたのであれば、各種制度を活用することによって持ち直せるケースもあります。そのうちの1つが「生活福祉資金制度」です。

 

低所得者、障害者、高齢者の生活を経済的に支えること、社会参加や在宅福祉の促進を目的とした貸付制度のことです。

 

都道府県の社会福祉協議会が実施主体で、県内にある市区町村社会福祉協議会が窓口となることで運営がされています。

一律の支援ではなく、各々の経済状況等に合うように貸付がなされます。

例えば就職のために知識やスキルを身につける必要があるのであればその学校への進学に必要な費用、大学進学のための費用分の貸し付けが行われます。介護サービスを受ける必要があるならその分に対応する形で貸付けが行われます。

貸し付け対象の世帯

同制度の貸し付け対象となる世帯を以下に整理します。

  1. 低所得世帯
    資金の貸付けを受けることで独立して生活できると認められる、かつ、他から資金を受けることが困難な世帯
  2. 障害者世帯
    身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者がいる世帯
    (またはこれらの者と同等と認められる者)
  3. 高齢者世帯
    65歳以上の高齢者がいる世帯
    (日常生活において療養・介護が必要な者)

 

低所得世帯については基準がわかりにくいですが、目安として市町村民税が非課税になっている世帯が挙げられています。

貸し付けの上限目安

資金の目的別に、上限額の目安、償還期間が公開されていますので、簡単に紹介していきます。

例えば資金の目的が「生業を営むために必要な経費」である場合には貸し付け上限額の目安は460万円、20年間の償還期間がもうけられています。

「障害者用自動車の購入」であれば、250万円の上限に8年の償還期間、「負傷や疾病に際して生じた経費や生計維持に必要な経費」であれば170万円の上限、5年の償還期間です。ただし療養機関が長くなると上限が230万円にまで引き上げられます。

「災害によって臨時で必要になる経費」も対象とされており、上限150万円、7年間の償還期間が設けられています。

 

原則連帯保証人が必要になるのですが、これを立てずとも申し込みはできますので、諦めずにまずは相談、申し込みをしてみましょう。