コロナ禍でも従業員を維持!雇用調整助成金活用のすすめ

新型コロナウイルス流行によるリストラの問題

コロナ禍に陥ったことで業績が悪化した企業が多数います。そうした企業は破産をしたり民事再生に入ったりします。

しかし、その前段階では売上の低下に対応するため、従業員のリストラが行われるケースもあります。人件費は企業にとって大きな負担だからです。

しかしリストラをしてしまうと現存の従業員で仕事をまわさなくてはならなくなりますし、リストラされた元従業員は収入がなくなり、生活に困窮してしまいます。

雇用保険などの制度はあるものの、コロナ禍では就職を成功させる難易度も高くなってしまっています。

 

そこで企業の方が知っておくべき制度が「雇用調整助成金」です。

雇用調整助成金とは

この制度は、新型コロナウイルス流行の影響を受けて事業活動を縮小せざるを得なくなった企業に対し、従業員の雇用を維持するために助成金を出すというものです。

いきなり解雇をしてしまうのではなく、休業をしてもらい、その間の休業手当を支給するという形で助成されます。

 

また、休業のみならず、従業員を出向させることによる雇用維持をした場合も支給対象とされています。

助成金の支給条件

この助成金を受け取るためには、事業者は以下の3つの条件をすべて満たさなければなりません。

  1. 新型コロナウイルスが流行した影響で経営環境が悪化、事業活動が縮小していること
  2. 直近1月の売上または生産量等が前年と比較して5%以上減っていること
  3. 労使協定に基づいて休業を実施し、手当を支払っていること

 

また、助成の対象となるのは雇用保険被保険者に対して出される休業手当などです。学生のアルバイトなど、雇用保険被保険者に該当しない者に対する休業手当は対象外です。ただ、その場合には「緊急雇用安定助成金」のほうでカバーできますので、そちらの制度についても知っておくことが大切です。

助成額と限度日数について

この制度においては以下の計算式に従って助成額が決定されます。

 

(平均賃金 × 休業手当等の支払率) × 助成率

 

1人1日あたり13,500~15,000円が上限となります。

支給の限度日数は、原則1年間で100日分、3年で150日分です。

ただし令和2年4月1日~令和3年9月30日中の休業についてはこの限度日数とは別に支給を受けることが可能です。

支給までの手続

まず休業等の計画を策定、労使協定を締結した後、その計画に基づいた休業を実施。そして「雇用調整事業所の事業活動の状況に関する申出書」など各種必要書類を準備して支給申請を行います。

その後は労働局による審査が行われ、支給決定額が振り込まれます。